当時32歳の谷口選手は「こけちゃいました」と笑みで名言を残したが、この日の織田選手は引きつった顔で「自分の責任です」と言った後に泣き出し、言葉が続かなくなった。さらに滑走順が優勝したライサチェク選手(米国)の直後で「歓声を聞いて足がすくんでしまった」とも。勝負の中でどうにもならないことに対処するには織田選手は若く、ひたむき過ぎたのだろう。

 ひもを直してリンクに戻った時、観客は手拍子で迎えた。温かい励ましを受け、織田選手は最後まで演技をやり遂げた。「お客さんに助けられた。反省して頑張っていきたい」。失敗を胸に刻み、4年後の舞台を目指す。