普通の奴らの波がなんで弱いかってと、それは法律上の問題で、アマチュア無線の免許には4種類あるのは知ってると思うけど、それぞれで送信出力の限界が定められているからだ。つまり一番簡単に取れる電話級の免許では、10Wの出力しか出しちゃいけないことになってる。ただアンカバーにとっては法律なんかクソ食らえなわけで、100Wでも1kWでも、ブタ(FMのアンプのこと)とアンテナの能力が許す限りの出力を出してやれるから、法律守ってる一般ピーポーなんかが勝てるはずがない。一般野郎が「アンカバー出てけ!」とか言おうもんなら、そいつのコールサイン覚えておいて、「おう!俺はJP1○○○の××だぞコラー!!ここのチャンネルは我が××クラブが占拠している!他の奴らは消えろ」だのなんだの、騙りで煽ってやったり、先の大出力でそいつの通信に無変調(変調しないつまり何も喋らない)かけて潰してやるとか、いろいろ嫌がらせも出来ちゃうのだ。

そんな事やってて捕まらないはずがない!と思うのは一般人の論理で、アマチュア無線帯域での出来事に、デンカンが口を出す事はほとんどない。タクシー無線とか警察無線にジャミングでも掛けない限り、デンカンは何もしないのが一般的だ。

そうは言っても、チクリがあれば一応は動く(茶封筒送ってきて「やめましょうね迷惑行為」って程度だけど)ため、チクリを専門にしてる基地外無線家も居るには居る。

そういう連中を何と呼ぶかっていうと、「私設デンカン」。

私設デンカンは普通のアマチュア無線愛好家で、つまりは一般ピーポーである。ポリスが暇潰しにやってるのが多いがアマチュア無線やってるときは仕事中じゃないから、逮捕ってわけにもいかない。だいたい逮捕してみたところで、電波法にちょっと違反してる程度なので(スピードオーバーより罪が軽い)、ごめんなさいと言えばそれで終わってしまう。俺も私設デンカンに追いかけられた事はあるけど、捕まった事はなかった。私設デンカンはまともなアマチュアにもアンカバーにも嫌われてた。

余談だが私設デンカンやデンカンの送ってくる「やめましょうね」茶封筒はアンカバーにとって表彰状のようなもので、今まで何通貰ったかがアンカバーの格付けになっていたり。俺はレピーター管理団体から10通くらい、デンカンから2通ほど警告文貰った。アンカバーとしては中堅クラスか。

俺のお気に入りのレピーターが赤坂レピーター(アークヒルズのてっぺんにある)で、439.10MHz、この周波数使ってるのはアンカバーと私設デンカンだけという、何のためにあるのか良く分からないレピーターだった。アンカバー連合もその名を

赤坂アンカバーハムクラブ

といい、CB(トラック無線)11チャンのヤンキーチャーリークラブ並に当時は有名だった。